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ワンちゃんの飼い主の皆さんは、ニキビダニというダニをご存じでしょうか。
「毎月背中に薬を着けて予防するアレでしょう?」なんて声が聞こえてきそうですが、月に1回のノミ・ダニ予防に使用する薬では予防できない種類のダニです。
主に幼犬に見られる皮膚疾患なのですが、非常に獣医さん泣かせの病気です。
このニキビダニが過剰に増殖したり、ストレスなどで抵抗力が低下すると発症することがあるようです。
ニキビダニを検査するには、病変部を鋭匙や少し切れ味を鈍くしたメス刃などで微出血が見られるまでこすって検体を採取します(搔爬検査)。
これには皮膚片などの角質が多く含まれているため、これを溶解する薬剤を使用してから、顕微鏡検査をします。
仮に検査の結果、ニキビダニが発見されたとしてもまだ断定はできません。
なぜなら健康犬にも高確率で寄生しているからです。結果=診断といかないのが獣医さん泣かせの理由である一つです。
検出されれば寄生しているのは間違いないので治療を始めていきますが、非常にしつこいダニで治療には時間がかかります。
ここに獣医さんを悩ませるもう一つの理由があります。
治療は二次感染を防ぐための抗生物質と殺ダニ剤を併用していきます。
殺ダニ剤には様々なものがありますが、しつこいダニをやっつけるには、やはり強力な薬が必要で昔はアミトラズが主に使われていたようです。
アミトラズは効果抜群の反面、強力な薬のため副作用も大きく体調を崩す場合が多いようです。
フィラリア予防に使うミルべマイシンを使用する例もあるようですが、推奨使用量を超えて使うためこちらも心配です。
ですが、最近出された薬でいいものがありました。
商品名を「ブラベクト」といい、一度投与すると3カ月の間ノミ・マダニを予防するというお薬です。
冒頭で「ノミ・ダニ予防に使用する薬では予防できない種類のダニです」という話をしましたが、この薬もニキビダニは効用外の使用です。
ですがニキビダニに悩む獣医さんは世界共通のようで、外国ではブラベクトがニキビダニに効果があるという研究がされており効果が認められています。
アミトラズのような副作用も起きにくくミルべマイシンのように量を増やす必要もないため。日本でもそれに倣う獣医さんが増えてきています。
症状と相談しながら、効果が出なければ他の殺ダニ剤を併用する可能性は残りますが、治療をスタートする薬としてはいいお薬だと思います。
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オアシス動物病院
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